ビスクドールとは?

ビスクドールとは?

ビスクドールとは、19世紀にヨーロッパのブルジョア階級の人たちの
間で流行した人形のことで、「ビスク」というのはフランス語で「2度焼き」
という意味になります。人形の頭部や手、また場合によっては全身の
材質が二度焼きされた素焼きの磁器製だったことからビスクドールと
よばれるようになりました。

 

このビスクドールが登場するまでは、人形といえば、ロウ人形や
洋服の宣伝用に作られたファッションドールが主流でした。人形職人が
試行錯誤をくり返してビスクドールが誕生したわけですが、人形の顔や
手足を陶磁器で作ることで、暖かみと透明感のある健康的な肌を表現
したことがこの時代の流行となり、その美しさに誰もが魅了されました。

 

初期のヘッドは、肩と一体成型されるショルダーヘッドと呼ばれるもの
でしたが、後に首が自由にまわせる構造を持つヘッドが開発され、それが
その後の主流になっていきました。

 

素焼きのビスクドールに対して、釉薬のかかった磁器(チャイナ)をヘッドに
使っているのがチャイナドールです。 これは、1840年から1880年の間に
大量生産されて子供たちにも大人気になり、一般の子供用玩具としても
広く販売されました。

 

19世紀末ごろ、ジュモーやブリュなどフランスのビスクドール工房は
黄金時代を迎えましたが、ビスクドールの製作は、きわめて職人的な
高度な手作業によるもので、材料も贅沢なものを使用していたため、
次第にその姿を消していきました。

 

おがくずや粘土などをニカワや樹脂などで固めた手法で作られたという、
ヘッドが同素材のコンポジション・ドールを経て、後々に登場したゴム製や
セルロイド、ビニール製などの廉価な人形の量産化に追いつくことができ
なかったのでしょう。

 

その短い期間につくられたビスクドールは、現在でも大変人気が高く、
中でもブリュやジュモーは「幻の人形」ともいわれ、その骨董的価値や
美術性、希少性に高値がつくなどして、コレクターの間で探し求められ
続けています。「開運!なんでも鑑定団」にもしばしば登場しますよね。